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算定基礎届の反映と月額変更に注意!最低賃金引上げ後に確認したい社会保険の手続き

社会保険に加入している従業員の給与が変わったとき、確認したいのが「標準報酬月額」の見直しです。

毎年行う「算定基礎届」による見直しに加え、昇給などによって給与が大きく変わった場合には、「月額変更届」による手続きが必要になることがあります。

特に、2026年10月1日から愛知県の最低賃金が時給1,195円に引き上げられたことに伴い、従業員の時給や給与を見直した事業所もあるのではないでしょうか。

今回は、算定基礎届と月額変更届の違いや、最低賃金引上げ後に確認しておきたいポイントを解説します。


算定基礎届と月額変更届の違いとは?

算定基礎届と月額変更届は、どちらも健康保険・厚生年金保険の保険料計算の基礎となる「標準報酬月額」を決めるための手続きです。

ただし、手続きが必要になるタイミングが異なります。

算定基礎届は毎年行う見直し

算定基礎届は、原則として毎年1回、4月・5月・6月に支払われた給与をもとに標準報酬月額を見直すための手続きです。

この手続きを「定時決定」といいます。

届出によって決定された標準報酬月額は、原則としてその年の9月から翌年8月まで適用されます。


そのため、毎年の算定基礎届を提出した後は、9月以降の給与計算で新しい標準報酬月額が反映されているか確認しましょう。


日本年金機構「従業員の報酬月額の届出を行うときの手続き」 算定基礎届・月額変更届の手続き

月額変更届は給与が大きく変わったときの見直し

一方、月額変更届は、昇給や降給などによって固定的賃金が変動し、一定の条件を満たした場合に提出する手続きです。

この手続きを「随時改定」といいます。


算定基礎届による定時決定を待たずに、給与の変動に応じて標準報酬月額を見直す仕組みです。


たとえば、基本給や時給が上がった場合に一定の条件を満たせば、月額変更届の提出が必要になることがあります。


最低賃金の引上げで昇給した従業員は要チェック!

2026年10月1日から、愛知県の最低賃金は時給1,195円となりました。

これに伴い、時給を引き上げたり給与体系を見直したりした事業所もあると思います。


最低賃金を下回らないよう給与を見直すことはもちろん大切ですが、社会保険の手続きについても確認が必要です。

昇給したら必ず月額変更になる?

最低賃金の引上げに伴って時給を上げた場合でも、必ず月額変更届の提出が必要になるわけではありません。

随時改定の対象となるかどうかは、主に次の3つの要件をすべて満たしているかで判断します。

 

① 固定的賃金に変動があったこと

基本給や時給の変更、固定的な手当の変更などが該当します。

最低賃金の引上げに伴って時給を変更した場合も、固定的賃金の変動に該当する可能性があります。

 

② 変動後3か月間の報酬をもとに計算した標準報酬月額が、従前と比べて原則2等級以上変わること

昇給後の給与だけでなく、その後3か月間に支払われた報酬の平均額をもとに確認します。

③ 変動後3か月間の各月について、支払基礎日数の要件を満たしていること

一般の被保険者は原則として各月17日以上、短時間労働者は各月11日以上など、対象者に応じた要件があります。


これらの要件を満たした場合、随時改定の対象となります。

なお、固定的賃金が上がっていても、変動後の報酬をもとにした標準報酬月額が下がるなど、一定の要件を満たす場合は、原則として随時改定の対象になりません。

日本年金機構「随時改定(月額変更届)」 随時改定(月額変更届)の要件

 

数か月後に確認することを忘れずに!

最低賃金の引上げに伴って10月から時給を変更した場合は、給与への反映時期を確認したうえでその後の給与を継続して確認しましょう。

たとえば、変更後の給与が11月支給分から反映される場合、11月・12月・翌年1月の報酬を確認し、要件を満たしていれば、原則として翌年2月から標準報酬月額が改定されます。


ここで注意したいのは、
最低賃金の引上げが適用された日と、随時改定の計算を始める月が必ずしも同じとは限らないという点です。


給与が当月払いか翌月払いかなどによって、昇給後の給与が実際に支払われる月が異なるため、給与明細や賃金台帳を確認して判断しましょう。


また、残業代などの変動によって給与総額が変わっただけでは、通常、随時改定の対象にはなりません。固定的賃金の変動があったかどうかも重要な確認ポイントです。


随時改定の詳しい要件については、日本年金機構の案内も参考にしてください。


算定基礎届の反映状況も確認しましょう

秋は、算定基礎届によって決定された標準報酬月額が給与計算に反映されているかを確認する時期でもあります。

算定基礎届による標準報酬月額は、原則として9月から適用されるため、給与の締日や支払日、社会保険料の控除方法に応じて、給与計算に正しく反映されているか確認しましょう。

 

社会保険料を翌月の給与から控除している事業所では、9月分の社会保険料が10月支給の給与から反映されるのが一般的です。

一方、当月控除としている場合は、反映する給与のタイミングが異なります。

算定基礎届の結果が反映されていないと、社会保険料の控除額に誤りが生じる可能性があります。

給与計算の担当者は、決定通知書と給与計算データを照らし合わせて確認しておきましょう。



まとめ|最低賃金引上げ後は月額変更の確認を忘れずに

算定基礎届は毎年行う標準報酬月額の見直しであり、月額変更届は昇給などによって固定的賃金が変動し、一定の要件を満たした場合に行う見直しです。

2026年10月の最低賃金引上げに伴って従業員の時給や給与を変更した事業所では、給与計算への反映だけでなく、数か月後に随時改定の対象となるかどうかも確認することが大切です。


対象となる従業員の確認が漏れないよう、給与変更の記録を残し、3か月間の報酬を確認する時期をあらかじめ決めておくと安心です。


社会保険の手続きや給与計算について不安がある場合は、社会保険労務士への相談もご検討ください。


愛知県・名古屋市・豊橋市エリアで、算定基礎届や月額変更届、社会保険の手続きに関するお悩みがございましたら、社会保険労務士法人中央会計社へお気軽にご相談ください。

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株式会社中央会計社 代表 筒井彰英
一言 私たちは愛知県の名古屋市、三河地域に事務所を設けている税理士事務所と社会保険労務士事務所のグループです。 弊社の経営理念である、「お客様の信頼できるパートナーになりたい」という考えをもとに日々業務に取り組んでおります。
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