【令和8年度 業務改善助成金】令和7年度から何が変わった?変更点と活用ポイントを解説
近年、最低賃金の引上げが続いており、多くの中小企業で人件費の増加が課題となっています。
「賃上げは必要だが負担が大きい」「設備投資をしたいが資金面が不安」とお悩みの経営者の方も多いのではないでしょうか。
そんな中で注目されているのが「業務改善助成金」です。
業務改善助成金は、従業員の賃金を引き上げるとともに、生産性向上につながる設備投資等を行った場合に、その費用の一部が助成される制度です。
令和8年度は令和7年度から制度内容が一部変更されており、これまで申請を検討していた企業も改めて内容を確認しておくことが重要です。
今回は、令和8年度の業務改善助成金の概要と、令和7年度から変更されたポイントについて解説します。
業務改善助成金とは?
業務改善助成金とは、中小企業・小規模事業者が事業場内最低賃金を一定額以上引き上げ、そのために必要な設備投資や業務改善を行った場合に支給される助成金です。
単に賃上げを行うだけではなく、「設備投資等による生産性の向上」と「賃上げ」をセットで実施することが要件となっています。
▶ 令和8年度 業務改善助成金のご案内(厚生労働省PDF)
例えば、以下のような設備投資が対象となる場合があります。
- POSレジの導入
- 自動釣銭機の導入
- 建機(ユンボ、フォークリフト等)
- 業務管理システムの導入
- 予約システムの導入
- 生産設備の導入
- ICT機器の導入
特に人手不足が深刻化している現在では、業務効率化と賃上げを同時に実現できる制度として、多くの企業が活用しています。
令和8年度の主な変更点
令和8年度の業務改善助成金では、令和7年度と比較していくつかの重要な変更が行われています。
最新の制度内容や申請要領は、厚生労働省の公式ページでも確認できます。
▶ 令和8年度 業務改善助成金の一部変更のお知らせ(厚生労働省PDF)
賃上げコースの見直し
令和7年度は、
● 30円コース
● 40円コース
● 60円コース
● 90円コース
の4区分でした。
一方で令和8年度は、
● 50円コース
● 70円コース
● 90円コース
へと見直されています。
これまで比較的利用しやすかった30円コースが廃止されたため、より大きな賃上げが求められる制度となりました。
最低賃金の上昇が続く中で、国としても積極的な賃上げを後押しする方針が反映された改正といえるでしょう。
助成率区分の見直し
令和8年度からは以下のように変更されています。
| 引上げ前の事業場内最低賃金
|
助成率
|
|---|---|
|
1,050円未満 |
4/5(80%) |
|
1,050円以上 |
3/4(75%) |
引上げ前の事業場内最低賃金は変更になっていますが、これは昨年の最低賃金の大幅な上昇に起因するものですね。
一番大切な助成率は変更になっておりません。
例えば愛知県の場合は地域別最低賃金が1,140円なのでどの会社様でも75%となります。
簡単に表現すると、1,000,000円の設備投資をした場合、最大で750,000円が受け取れるという事です。
申請前には自社の事業場内最低賃金がいくらになっているか確認しておくことが重要です。
申請スケジュールへの注意
業務改善助成金は、設備投資や賃上げを実施する前に申請する必要があります。
「設備を先に購入してしまった」「先に賃金を引き上げてしまった」という場合は助成対象外となる可能性があります。
そのため、
- 賃上げ計画
- 設備投資計画
- 見積書の取得
などを事前に準備し、早めに申請スケジュールを立てることが重要です。
業務改善助成金を活用するメリット
設備投資の負担を軽減できる
業務改善助成金の最大のメリットは、設備投資費用の一部が助成されることです。
例えば、業務効率化のためのシステム導入や機械設備の更新を検討している企業にとっては、投資コストを抑えながら生産性向上を図ることができます。
人手不足対策につながる
近年は採用難が続いており、人材確保が経営課題となっています。
設備投資によって業務効率を改善することで、従業員一人あたりの負担軽減や生産性向上が期待できます。
また、賃上げを実施することで従業員満足度の向上や人材定着にもつながります。
最低賃金引上げへの対応ができる
毎年の最低賃金改定に対応するためには、人件費増加への備えが欠かせません。
業務改善助成金を活用することで、賃上げによる負担を軽減しながら経営基盤の強化を図ることができます。
申請時の注意点
業務改善助成金は非常に活用しやすい制度ですが、申請時には注意すべきポイントもあります。
交付決定前の契約・発注は避ける
助成金申請で最も多い失敗が、交付決定前に設備を発注してしまうケースです。
交付決定前に契約や支払いを行うと助成対象外となる可能性があるため、スケジュール管理が重要です。
対象労働者を確認する
賃上げ対象者の選定も重要なポイントです。
令和8年度地域別最低賃金で働く従業員が対象となるため、現在の賃金状況を正確に把握しておく必要があります。
※令和8年度の最低賃金は令和8年9月以降に発表されることが予想されており、現状では確実に対象となる従業員の選定は出来ません。
早めの準備を心掛ける
助成金は予算上限に達すると受付終了となる場合があります。
毎年多くの申請があるため、「制度が始まってから考える」のではなく、早めの情報収集と準備がおすすめです。
まとめ
業務改善助成金は、賃上げと設備投資を同時に進めることができる中小企業にとって非常に魅力的な助成金です。
令和8年度は、賃上げコースの見直しや助成率区分の変更など、令和7年度から制度内容が変更されています。
今後も最低賃金の引上げが予想される中、設備投資や業務効率化を検討している企業にとっては、有効な支援制度となるでしょう。
「自社は対象になるのか分からない」「どの設備が対象になるのか知りたい」「申請手続きをサポートしてほしい」といったお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。
社会保険労務士法人中央会計社では、業務改善助成金の活用支援をはじめ、各種助成金申請や労務管理のサポートを行っております。
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