通勤費の非課税限度枠が変更されています
~「いつもの通勤手当」が実は要注意かもしれません~
「通勤手当は非課税だから、特に気にしていない」
そんな認識のまま運用していませんか?
実は近年、通勤費課税の非課税限度枠が見直されており、
支給方法や金額によっては、
「一部が課税対象になる」
「社会保険の手続きが必要になる」
といったケースも出てきています。
今回は、通勤費の基本から、
会社として必ず押さえておきたい実務上のポイントまでを、分かりやすく解説します。
そもそも通勤費課税と非課税限度枠とは?
会社が従業員に支給する通勤手当は、
一定額までは所得税がかからない(非課税)とされています。
これがいわゆる「通勤費の非課税限度枠」です。
考え方としては、
「通勤にかかる実費相当分については、生活費の補填として税金をかけない」
というものです。
ただし重要なのは、
全額が無条件に非課税になるわけではない
という点です。
非課税限度額を超えた部分については、
給与として扱われ、所得税の課税対象になります。
非課税限度枠は変更されています
令和7年(2025年)からの税制改正により、
自動車や自転車などで通勤する場合の通勤手当の非課税限度額が見直され、引き上げられています。
ガソリン代の高騰など、実際の通勤コストの上昇を踏まえた改正であり、
特に車通勤が多い事業所では影響が出やすいポイントといえるでしょう。
一方で、電車やバスなどの公共交通機関を利用する場合の非課税限度額は、
引き続き「月15万円まで」で変更はありません。
つまり、通勤方法によって非課税限度枠が異なるため、
会社側で正しく把握しておく必要があります。
詳しくは下記のリンクより参照してください。(国税庁ホームページ)
https://www.nta.go.jp/users/gensen/2025tsukin/index.htm
通勤費の支給ルール、会社で決まっていますか?
通勤費は、実務上とてもトラブルになりやすい項目です。
例えば、
- 距離計算の基準が曖昧
- 実費精算なのか定額支給なのか決まっていない
- 非課税限度額を超えた場合の扱いが不明確
このような状態のままでは、
税務上・労務上のリスクが高まります。
通勤費については、
就業規則や通勤費規程で明確なルールを定めることが重要です。
「誰に」「いくら」「どのように支給するのか」を文章で残しておくことが、
会社と従業員双方を守ることにつながります。
通勤費が変わったら要注意!「月変」の対象になることも
ここで特に注意していただきたいのが、社会保険の扱いです。
通勤手当は、社会保険上は報酬に含まれる項目とされています。
そのため、
- 引っ越しで通勤距離が変わった
- 非課税限度枠の見直しにより支給額を変更した
- 通勤方法が変わった
といった場合、
社会保険の月額変更(いわゆる「月変」)の対象になる可能性があります。
「通勤費だけだから大丈夫」と思っていても、
届出が必要になるケースは少なくありません。
愛知県で実際にあった労務トラブル
ここからは我々が対面した実際のお話をさせていただきます。
とある会社様で通勤費の上限を就業規則に明確に記載せずに、通例として上限を5,000円/月として設定し運用しておりました。
従業員Aさんが退職された際に、「会社への通勤費が月に5,000円以上かかっていた」、「就業規則に上限設定の記載が無い」点を指摘され、
退職時に差額の請求を求められた事例がございます。
通勤費の運用時には就業規則に明確なルールを設定することが大切な一例です
まとめ:通勤費は“総合的な見直し”が大切です
通勤費は、
- 税金
- 社会保険
- 就業規則・社内ルール
すべてに関係する重要な項目です。
非課税限度枠の変更をきっかけに、
- 通勤費の支給ルールは適切か?
- 就業規則にきちんと記載されているか?
- 社会保険の手続き(特に月額変更)は問題ないか
を一度見直してみることをおすすめします。
就業規則の作成・見直しや、
通勤費変更に伴う月額変更届の判断・手続きについては、
専門家に相談するのが安心です。
通勤費のルール作りや社会保険手続きでお困りの際は、
ぜひ社会保険労務士法人 中央会計社へご相談ください。
会社の実情に合わせた、無理のない制度設計をご提案いたします。
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